「とりあえず始める」の前に、ちょっとだけ理解を
「将来のために投資を始めたい」「周りがつみたてNISAをやっているから気になる」──そう思っても、なんとなく不安で一歩を踏み出せない方は多いはず。
でも大丈夫。つみたてNISAは「初心者こそ使うべき仕組み」なんです。
ただし、“始める前に知っておくべきこと”がいくつかあります。そこを押さえておけば、焦らず・損せず・安心して始められます。
今回は、つみたてNISAを始める前に知っておきたい5つの大切なポイントをわかりやすく解説します。
① 「つみたてNISAって何?」制度の基本を知ろう
つみたてNISAは、国が用意した「長期・積立・分散投資」を支援する制度です。
主な特徴は:
- 年間投資枠:120万円(※2024年新NISAより)
- 非課税期間:無期限(以前の制度では20年間)
- 対象商品:金融庁が認めた“長期投資向け”の投資信託
つまり、一定の条件を満たした優良ファンドに、毎月コツコツ投資して、その運用益に税金がかからないという制度です。
少額から始められるので、「投資初心者でも安心して使える入門口」と言われています。
② 銀行や証券会社、どこで始めるかが大事
つみたてNISAは、多くの金融機関で取り扱っていますが、選べる投資信託の種類や使い勝手がまったく違うのが現実です。
- 銀行:対面で相談できるが、取り扱い商品が少なめ
- ネット証券:商品が豊富、手数料が安い、ポイント還元などの特典も多い
「なんとなく近くの銀行で…」と始めてしまうと、選択肢が限られ、将来のリターンに差が出る可能性も。
ネット証券(例:楽天証券、SBI証券など)が初心者にも人気なのは、その理由からです。
③ 商品は「投資信託」、つまり“詰め合わせパック”
つみたてNISAで購入できるのは、基本的に「投資信託」と呼ばれる金融商品のみです。
これは、**株や債券などをプロが分散して運用する“おまかせパック”**のようなもの。
商品の中には、
- 全世界株式型(オルカン)
- 米国株式型(S&P500連動)
- バランス型(株と債券をミックス)
などがあり、自分のリスク許容度に合わせて選ぶことができます。
初心者の方には、**信頼性の高いインデックスファンド(市場全体に連動する商品)**がまずは安心です。
④ リスクはゼロじゃない。でも“長期で薄まる”
投資には当然「元本割れのリスク」があります。でもそれを必要以上に怖がる必要はありません。
つみたてNISAは、“毎月少額ずつ”買い続けることで、**価格のブレを平準化する「ドルコスト平均法」**が働きます。
また、10年・20年といった長期で運用することで、短期的な値動きのリスクは徐々に小さくなっていきます。
「始めた瞬間に増える」わけではないですが、コツコツ続けることで将来の安心を築く仕組みです。
⑤ やめたくなったら?⇒ いつでもやめてOK
「途中でやめたらどうなるの?」「取り出せなくなったら困る…」
そんな不安を持っている方も多いですが、安心してください。
つみたてNISAは、いつでも引き出せますし、積立の停止・再開も自由です。
「まずは毎月5,000円だけ」など、小さな一歩から始めてみて、慣れてきたら増やす──そんな柔軟な運用が可能です。
最後に:焦らず、でも「今」から始めてOK
「何を選べばいいかわからない…」
「間違えたら損しそうで怖い…」
そう感じるのは当たり前。でも、始めなければいつまでも“知識ゼロのまま”です。
今の時代、貯金だけではお金は増えません。だからこそ、国が用意した非課税制度を味方につけて、“育てるお金の習慣”を持つことが重要です。
不安なときはFPに相談して、自分に合った「はじめの一歩」を踏み出してみましょう。
未来の安心は、今日の一歩から始まります。